事実婚は生活者にとっては実は相当不便。経験者がデメリットを語ります。
先日、1年以上一緒に住んでいる彼と入籍をしてきました。
我が家は最初は事実婚にするつもりだったのですが、事実婚前提で色々な生活・手続きをしていくと生活が不便だらけで。。「苗字を変えたくない」という気持ちは諦めて入籍をしてきました。
(「諦めて」とかマイナスな書き方してますが、手続きを経て家族になれたことは嬉しいですよ!)
これから結婚を考えていて、入籍か事実婚か迷っている方に、生活者としての視点で事実婚で経験したことをお伝えできればと思います!
1.事実婚の認知があがっている!
事実婚に注目が集まった出来事といえば、はあちゅうさんの結婚ではないでしょうか。
かくいう私も、はあちゅうさんの記事などを見て、「事実婚という選択があるんだ」ということを知りました。
「入籍(法律婚)をせず事実婚でもかまわないと思う」と答えた人の割合は前回より約4ポイント上昇し、2018年は25.7%となりました。
実際に、「事実婚でもいい」と考える人は25.7%にのぼるそうです。(私ももともとはその中の一人です。)
結婚していない男女の間に生まれた「婚外子」が全体に占める割合は日本ではまだ2%程度にすぎず
しかし、実際に入籍していないカップルから生まれた子供は2%ということは、認知と実際の制度の浸透度・利用度の間に大きな差があることがうかがえます。
2.我が家が事実婚を希望していた事情
我が家は姓を変えたくなかったため、事実婚を希望していました。
というのも、私からの事情だと私には離婚歴があり、5歳の娘がいます。
娘は、生まれた時は田中(仮名。元旦那の姓)→井上(私の旧姓)→鈴木(仮名。再婚相手の姓)と、入籍すると5年の間に3回も名字が変わることになります。娘も周りの友達も名字からのフルネームで互いに認識しているので、さすがに3回目は名字が変わりすぎでかわいそう。
私も、会社の代表として仕事しているので、姓がかわると登記簿謄本/銀行の名前変更、旧姓で仕事するにも役所・銀行などはそうもいかずにやっかいです。
旦那さんには、「名前を変えたくない!」と結婚を決める前から話していました。
旦那さんが入籍時に私の姓井上になるという手もありますが、ご両親の理解を得るには時間がかかりそうという話でした。(ご両親の世代には、なかなかない例だと思うのでそれもわかる。結婚に反対しているわけではなくて、姓が変わることへの反対です)
事実婚のデメリットとして、下記の内容は把握していました。
・子どもの親権は母親になる(共同親権ではない)。
・お互いの財産に相続権がない(遺言である程度なんとかなるが、相続税の面で法律婚の方が有利)。
・配偶者控除が受けられない。
親権は認知の手続きする、相続は遺言書く、配偶者控除は私ももりもり働くから不要!
よし、問題なし!!姓が変わらないのいいやん!
くらいの認識でした。
両家の両親も含めて「ほな、入籍より事実婚かなー!!」という話で落ち着いていました。
そう、家計を一緒にしてがっつり生活をしだすまでは。。
3.事実婚として生活してみたけど、無理でした。
私たち夫婦は、先日入籍するまでに、子ども(私の連れ子)と3人で1年以上一緒に住んでいました。
事実婚の手続きはしていませんでしたが、夫婦の証明が必要な場面になると「近々事実婚の手続き予定です。」と説明していました。
それで、我々の身に降りかかった不都合をご紹介したいと思います。。w
3-1.車の保険で友達扱い・生命保険の受取人になれない
私たちは郊外に住んでいるので、車を買いました。
車を買うにあたって任意保険に入りました。任意保険の料金は、「本人のみ」「夫婦のみ」「家族のみ」「友達など家族以外も含む」の4パターンから選ぶ会社が多いです。
なんと、事実婚だと「夫婦のみ」ではなく、「友達など家族以外も含む」のパターンに該当します。ゆえに、保険料が月々数千円高くなります。。。
ちなみにこれは後から調べたのですが、原則、生命保険の受取人にもなれません。
これが私たちが最初にあった事実婚の洗礼です。。
まだまだ続きます。
3-2.住宅ローンを夫婦で組めない
家も買ったときに、事実婚ゆえに住宅ローンを夫婦で組めませんでした。
さらにいうと、「頭金を〇割嫁、ローンは旦那で頭金分だけ住宅の名義を嫁での共同名義にしたい」もかないませんでした。
これについては銀行ごとに違うみたいですが、不動産会社に電話してもらった何十行もの銀行はダメでした。
さらにいうと、「事実婚だから、旦那単体でもローン組めません」みたいな銀行もありました。
「事実婚だといつわって、実は単身で投資に回す人がいるんです」とのことでした。
3-3.住宅ローンについてる配偶者がん手当が出ない
我が家は旦那名義でローンを組んだのですが、ローンには団信で「配偶者ががんになったときに見舞金で100万円でます」という内容がついていました。
が、案の定、対象は戸籍上の夫婦のみで事実婚は対象外でした。
3-4.不妊治療の助成金が出ない
我が家はまだ妊活はしていませんが、「これからするとしたら、助成金とかあるのかなー。」とふと疑問に思って川崎市(居住地)のホームページを見たら。。
次の要件をすべて満たした方が助成を受けることができます。
- 夫婦のいずれか一方が、申請時に川崎市内に住所を有すること。
- 治療開始日において、戸籍上の夫婦であること。
- 治療開始日の妻の年齢が43歳未満であること。
出ましたよ。。やっぱり条件に「戸籍上の夫婦であること」って入ってます。。
3-5.家族ビザとかも取れない。
法的婚姻関係以外にも、事実婚や同居婚、海外では異性同士の婚姻と同等の立場を与えられる同性婚も増えています。ただ、日本において配偶者の立場を滞在根拠とする場合、異性同士の法的婚姻関係が許可の基本条件となります。
配偶者分も付帯される家族ビザなどあると思うのですが、配偶者とは法的な婚姻関係を根拠とするため事実婚は対象外だそうです。
(我が家はビザはまだとってませんが、もしやと思って調べたらやっぱり事実婚は対象外でした)
3-6.<番外編>保育園などでパパの呼び名に困る
事実婚だと、子どもは母親と同じ姓になることが多いと思います。
我が家もそうだったのですが、最近の保育園ってLINEで親同士がつながったりしませんか?
娘の保育園は「パパ会LINE」っていうのがあって、娘は井上なのにパパのLINEの名前は鈴木(仮名)なわけです。
「あれ?!〇〇ちゃんて鈴木(仮名)でしたっけ?」と保育園のパパを混乱させ、「実は事実婚で。。」となると「なんで?!(あるいは聞かないけど、気になってる感じw)」となります。
一言でいうと、事実婚は世間でなじんでないので説明はめんどくさいです。。
4.事実婚でやり抜ける人は現状の日本だとレア。
私は共働きなので配偶者控除は不要です。
それでもここ数か月の共同生活のスタートでたくさんの不便を感じてきました。また、これから事実婚で生活をし続けるとまだまだトラップがある気がして入籍をして名前を変える決意をしました。
(娘にはしっかり説明して、明るく楽しく納得してくれました。)
私も旦那もIT・ベンチャー界隈にいるので事実婚は一般的だと思い込んでいたのですが、「行政・不動産・保険・金融界隈では事実婚は夫婦関係を証明するものとして理解を得られていません」
そして、この業界は、生きていて家を買い、保険に入り、海外に住んだり助成金をもらったり。。そういった生きていると当たり前に起きることには必要不可欠な業界です。
最近「事実婚をしました!」というブログやTwitterをよく見ます。姓を生かしたまま結婚できるというのは本当に素晴らしいことですよね!
ただ、上で語ったように、事実婚は生活していくと不便があるし気づかないうちに損することもあると思います。
なにごともそうですが、これからご結婚される方は、メリット・デメリットの両方をしっかり知ったうえで事実婚か入籍かは検討いただければ!
私の経験がその一助になればうれしいです。
ではでは~!!